『かがくのとも』を買う前に、あなたは今日子どもと「何分」観察しましたか?

black and gray metal tool on black wooden table

「子どもには、身近な不思議に気づける、観察力のある子に育ってほしい。」

そう思って、福音館書店の『かがくのとも』を手に取る方は多いでしょう。

道端の石ころ。
雨上がりの虹。
台所でふくらむ重曹の泡。

日常の中にある「小さな科学」を丁寧に切り取るこのシリーズは、子どもの好奇心を育てる名作として長く読み継がれています。

しかし、ここで一度だけ立ち止まって考えてみてください。

子どもに「観察しよう」と伝えている大人自身は、どれくらい世界を観察できているでしょうか。


1. 科学の本を読みながら、目の前の世界を見失う瞬間

『かがくのとも』の魅力は、細やかな観察にあります。

アリの動き
水の流れ
光の変化

どれも、誰かが長い時間をかけて観察したからこそ描けるものです。

しかし現代の私たちは、とても便利な道具を持ってしまっていますね。

そう。スマートフォンです。

子どもが

「どうして?」

と聞いた瞬間、ついこう考えてしまうことはないでしょうか。

「あとで検索してみよう」

もちろん、検索は便利です。
でも、ここに小さな落とし穴があります。

検索は、観察よりも先に答えを手に入れてしまう装置だからです。

科学の面白さは、

「答えを知ること」

ではなく

「なぜだろう?」という時間にあります。


2. 本を買っても、観察力は買えない

絵本の世界ではよく

「この本を読めば能力が伸びる」

という言葉が使われます。

でも本当は、本そのものが子どもを育てるわけではありません。

本をきっかけに生まれる

  • 観察
  • 会話
  • 発見

この時間こそが、子どもの好奇心を育てます。

例えば

「アリはどうして列になるんだろうね」

と一緒に考えてみる。

すぐに答えを出さなくても大丈夫です。

あなたが、公園にいってみてください。

しばらく眺めていると、

  • 先頭のアリが道を作っている
  • 同じ場所を何度も通る
  • 触角で何かを伝えている

そんな小さな発見が、こどもより先にあなたに、生まれるかもしれません。

それが、検索では得られない体験です。


3. スマホの「答え」よりも、本の紙にある現実

スマートフォンで見る「答え」はとてもきれいです。

誰かが撮った素敵な写真が、
高解像度の映像が、いつでも手のひらにあります。

でも、それはどこまでいっても

光のドットの集合

です。

一方で、本には

  • 紙の質感
  • インクの色
  • ページをめくる音

といった、五感で感じる世界があります。

『かがくのとも』が大切にしているのは、
まさにその「現実に触れる体験」です。

例えば

  • 絵の中の虫の足を一緒に数える
  • 影の向きから光の方向を想像する
  • ページの隅にある小さな描写を見つける

こうした時間は、とてもゆっくりしています。

でも、このゆっくりした時間こそが

観察する力

を育てます。


4. 子どもに科学を教える前に

『かがくのとも』は素晴らしい本です。

でも、もっと大切なものがあります。

それは

大人が世界を面白がっている姿です。

「これ、なんでだろう」

と一緒に立ち止まる。

「もう少し見てみよう」

と少しだけ長く観察する。

その姿こそが、子どもにとって一番の学びになります。

子どもに観察力を育てたいなら、

まずは大人がスマホを少し置いて、

自分の目で世界を見る時間

を取り戻してみてください。


もし、最近こんな感覚があるなら

  • スマホをつい見てしまう
  • 静かな時間が少ない
  • 自分の感性が鈍っている気がする

それは、あなたの性格の問題ではありません。

情報の多い時代では、誰でもそうなりやすいからです。

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