派手な絵本
おもしろい絵本
100万部売れた絵本
CMでよく見る「絵本」は
名作でしょうか?
「いま、どんな絵本が流行っているんだろう」
「最新の知育に合っている本はどれ?」
子どものためを思うほど
私たちは「新しい情報」を探し続けてしまいます。
スマートフォンを開けば
次々と育児のヒントやランキングが流れてくる。
その中で
福音館書店の
『ぐりとぐら』や
『おおきなかぶ』のような絵本が、
数十年たった今も
変わらず本棚に並び続けています。
これは、単なる懐かしさなのでしょうか。
「昔の方がよかった」と思いたい
上の世代のエゴでしょうか?
それとも
もっと別の理由があるのでしょうか。
1. 情報の「速さ」に慣れた脳は、静けさに戸惑う
SNSや検索で手に入る育児情報は、
ほとんどが「新しさ」を前提に作られています。
「今やるべきこと」
「最新の研究」
「効率のいい関わり方」
こうした情報は便利である一方
私たちの脳を常に刺激のある状態へと引き上げ続けます。
その状態に慣れてしまうと
変化の少ない時間や
ゆっくり進む物語に触れたとき、
なぜか落ち着かない感覚を覚えることがあります。
たとえば、お休みの日。
こどもとゆっくり過ごすはずが
いつも買い物やテーマパークに出かけてしまう人。
子どものためにいい絵本を選ぼうとして
なんとなくではなく
「売れてる!」とうたわれている絵本を選んでしまう人。
福音館のロングセラー絵本を開くと
そこには派手な展開も、強い刺激もありません。
ただ、静かに物語が進んでいきます
その「変わらなさ」に
今の人たちは
物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
2. それでもロングセラーが残り続ける理由
それでも、これらの絵本は消えません。
何度も増刷され
世代をまたいで読み継がれています。
それは、
流行や技術の変化とは別の場所にある
人間の基本的な感覚や関係性を描いているからです。
おいしい匂いに集まること
力を合わせて何かを引き抜こうとすること。
繰り返しのリズムに安心すること。
こうした体験は
どの時代の子どもにとっても共通しています。
新しさに依存しない物語は
結果として長く残ります。
3. 「繰り返し」と「待つ時間」が、親の感覚を整えていく
ぐりとぐらでは
カステラが焼き上がるまでの時間が丁寧に描かれています。
おおきなかぶでは
誰もが知る「うんとこしょ、どっこいしょ」という
繰り返しのフレーズが続きます。
この「何も起きない時間」や
「同じ言葉が続く時間」は、
効率だけを考えると
省いてしまいたくなる部分かもしれません。
けれど実際には
その繰り返しに声を合わせ
同じ場面をもう一度読むことで、
親の呼吸と子どもの呼吸が
少しずつそろっていきます。
読み聞かせは
子どもに何かを教える時間であると同時に、
親の感覚の速度を
現実の生活の速度まで
落としてくれる時間でもあります。
4. 「新しさ」ではなく、「変わらなさ」を基準にするという選択
もちろん、新しい絵本を手に取ることが
悪いわけではありません。
ただ、
「新しいから良い」
「話題だから安心」
という基準だけで選び続けていると
いつの間にか
自分の感覚よりも
外の評価を頼りにする癖がついていきます。
ロングセラーの絵本は、
その逆方向の感覚を思い出させてくれます。
今も読まれている
それだけの時間に耐えてきた。
その事実を手がかりに
静かに本を選ぶことができる。
それは
情報の速さに流されない
もうひとつの判断基準を持つことでもあります。
5. 静かな本に触れたとき、自分の内側の速度が見えてくる
もし、ロングセラーの絵本を読んでいて
「少し退屈かもしれない」
「早く次の展開に行きたい」
そんな感覚が浮かんだとしたら
それは絵本の問題ではなく
自分の内側の速度に気づくきっかけ。
私たちは日中
とても速いリズムの中で過ごしています。
だからこそ、
変わらない物語に触れたとき
自分のほうが急いでいることに気づくのです。
ロングセラーは「過去の遺物」ではなく、時間の基準点になる
福音館書店のロングセラー絵本は、
古いから残っているのではなく
変わらなくても大丈夫なものとして残っている本です。
それは
情報が更新され続ける時代の中で
自分の感覚を確かめ直すための
小さな基準点のような役割を持っています。
新しい情報に触れることと
変わらない物語に触れること。
その両方を持っている人のほうが
結果として落ち着いて物事を選べるようになります。
静けさを取り戻すための、もう一つの選択肢
もし、
「気づくと、ずっと新しい情報を探してしまう」
「何もしていない時間が落ち着かない」
そんな感覚があるなら
それは意志の問題ではなく
環境に合わせて感覚が速くなっているだけかもしれません。
その速度を
意識的にゆるめていく方法を
28日間のメール講座の中で
絵本を例にしながら丁寧に解説しています。








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